鎌井硝石

鎌井松石という人物は、文化十三年(一八一六)、
河曲郡十日市場村百々川(現鈴鹿市神戸)の生まれで京都で医学を修行し、
弘化二年(一八四五)、三重郡小山田村で医者を正業としていた人物で、
本草学・博物学者である。

この人物の関連資料を、過去に私が行きがかり上、寄贈を受けた。
そして、寄贈を受けるために10日間ほどでカードをつくり整理覚えがある。
忙しく、資料整理室にず〜っと籠もっていたことを覚えている。

それ以来、十数年。係員に問われて、
時に1点・2点を展示したことはあったが、
基本的に資料には関わる立場になかったこともあって、
その後気にはなりながらも携わっては来なかった。

しかし、萬古印の項で述べたように、
もうどうしようもなくなってきた館の状態があり、
皆に強制的にでもレベルアップしてもらいたいと思っている。

で、こちらは、助手Bに順次整理をお願いした。
そして、とりあえず資料の紹介を…と言っていたのであるが、
興味のあるところに踏み込んでいってしまっている。
助手の話では助手Bはどちらかというと白黒を付けたいのではないか、
というが、そうかも知れないと思う。
基本的に「学」に対する興味というものがそうさせるのである。
であるから、助手に言われるまでもなく、
そうなるであろうということは了解済みであって、
だからこそ「今回は資料紹介だけ!」と言い続けて来たのである。

ともかくも、今後さらに人員を削られるに従って、
皆の仕事の性格自体が変わって来ざると得ないと考えている。

であるから、皆の意識改革を望むのであるが、
なかなかヒトは変わらないものである。