トンボ

 先週の話!なかなか時間がなく書けなかったが、是非書いておきたい。
 何年ぶりであろうか?トンボで著名なお方と会食した。
 と言っても、氏の行きつけの居酒屋である。
 いつでも話をしているが、夜のお付き合いは本当に久しぶりである。


 これまでは、歴史好きな氏(と言っても素人)の一方的な意見を聞きながら、
こちらの見解を求められる。それに応じて意見をいう、というパターンであった。


 今回は、氏の専門の手のひらの上に据えられて、たっぷりと昆虫浸けになった。
 専門でありながら、面白おかしく話をする。
まるで、店中ムシでいっぱいになったようである。


 このお方、やはり、この地域にあってはなかなかに得難い人物だ!
ということを今更ながらに実感した。


 氏は、お子さんが学位を受けた時、自分にもその話が後輩からあった時、
野人である自分には必要でない、ということで断ったという話を
聞いたことがある。
なるほど、どこにも属さず一匹狼でやって来たし、やっている氏にとっては
学位などは必要ないのであろう。


 周りから、そろそろ博士号を…と言われ始めてから数年経つが忙しさに
かまけて遅々として進まず時々焦燥感に苛まれている私などからみれば
羨ましい限りの話ではある。
 ともかくも、今は目の前の仕事を一つ一つこなして行くだけと割り切ってきたが、
忙しさにかまけて...というのも、よくよく考えると覚悟が足りないのか、
とも思い直し、性根を据えなければと強く思った晩であった。


 それにしても、典型的な髪結いの亭主である氏、
相棒と呼ぶ奥様とは研究者としての理想的な関係ではなかろうか!?


この点でも羨ましい人生を過ごしているお方ではある。