〔この国の領土〕14

 平成11年、日本の貨物船アロンダラ・レインボー号が海賊船に襲われたという事件があった。この突然の報に驚かれた方もさぞ多いことであろう。
 ことの顛末については、http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/p125_4.htmlに詳しい。
 まことに、今の世に起こりうる事件なのか!?と認識不足の身で思ったものだ。
 この事件以来、海上保安庁の国際化が進み、平成16年にはアジア海上保安機関長官級会議が東京で開催されるなど、各国の協力が密になったという。
 が、未だに事件は続いている。昨年3月には、タグボート韋駄天(いだてん)の船長ら3人が拉致され、4月には三菱商事の子会社が所有するパナマ船籍の貨物船オーシャン・ブリッジ(約2万6000トン)が海賊に襲われている。

 また、マレーシアはクアラルンプールには、国際海事局海賊情報センターというのがあり、事件を未然に防ぐには「関係各国にこの海域の警備強化を働きかけるしかない」と当たり前の話をしているそうだ。はぁ〜!!
 各国とももっと協力し合えなければならないのであるが、応分の負担が求められなければならないが必ずしもそうはなっていない。
 米英が、種々の紛争処理に日本の「汗」を求める気持ちが分からないでもないような気がしてみたりして...。でも本質的に違うか...!?

 現在、わが国の海上保安庁の所有する巡視船等の船舶は合計500隻余。これらの中には、不審船対策として建造された「しきしま」(7175トン、ヘリ2機搭載)のような世界に誇れる巡視船もないではないが、多くの巡視船は明らかに老朽化してきている上に、それらが、これまで述べてきたような日本を取り巻く領海にフル稼働している状態なのである。何しろ、日本は、世界で6番目に広い排他的経済水域を有しているのだから...。