大きな政府 小さな政府 1

 ちょっと考えていたことを、性懲りも無くまた書いてみることにした。

 戦後のわが国は、焦土作戦によって荒廃した社会の建て直しから始まった。そんな国が大きな政府になったのは、一体いつの頃からなのであろうか。
 戦後、わが国は’60年代まで高度経済成長を続け、有効需要の理論を打ち立てたケインズ政策に頼ることもなく完全雇用を達成してきた。しかし、’73年末の第一次石油ショック後、高度経済成長はあっけなく終末を迎えたのであった。
そこで、需要不足を補うため国債を発行し、公共事業を続けていく現在までの経済政策の体制が出来上がったのである。
その後は、ご存知のとおり、景気の如何にも関わらず、公共事業は拡大し続け、仕舞いにはバブル景気を生み、実態に見合わない経済は破綻を来たし、今に至るのである。

 高度経済成長の中、大都市圏と地方との格差が社会の歪みとして
指摘されるようになったのが、’60年代の後半の頃からであっただろうか。
深刻な人口増加と過疎の問題は、’70年代になると中学生であった私は光化学スモッグに悩まされるようになったことが思い出される。
その後、この地域間格差の問題は、喫緊に解決すべき政治課題となっていったのである。そして、それに逸早く解決策を提示したのが田中角栄で、それが『日本列島改造論』であった。
    つづく