何が本当なのか? 5

 アメリカへのポチ化の淵源は何か?
 基本的にわが国を叩いたのはアメリカ軍であったことに
異を唱える人はないであろう。
 しかも、占領政策共産主義者などが後押ししたりしながらも、
結果として共産主義に至らなかったのは、
紛れも無く占領政策が確かに成功したことによるのである。


 では、その根源に据えられたのは、何か?
 憎っくき鬼畜米英であったはずのものが、
戦後ソビエトの条約裏切り・侵攻、占領、
シベリア抑留とアメリカのプロパガンダも含めて、
我々の中に、如何に占領軍によって屈辱的なことを押し付けられても
ソ連に較べればまし!」との意識が植え付けられていったのであろう。


 言ってみれば、当時の日本人の感覚からすれば、
ソ連はそれほどに酷かったのである。
満州在留の日本人に対してソ連は暴虐の限りを尽くしたのであり、
その話は命からがら逃げ帰った引揚者によって、
皆が認識を一にしていたといっても良いであろう。


 その様な状況を皆が知っていたので、
米軍が駐留してきたら、日本人女性は全員強姦されてしまうと
本気で信じていた訳であったのが、
そのような問題はさしてなく(占領軍にはそのようなことのないように事前に周到に教育されていたという)、
といってもいくらかの問題は数々あったようだが、
いずれにしても事前に人々が恐怖していたようなまでのことは無く、
ましてやチョコレートまでくれたのである。

 これも占領に先立って検討された
占領政策の一方策であったことは近年明らかとなっており、
米兵の自発的行為としてチョコレートを配布したのではなく、
占領政策として規定量が配布され、
それを子供たちに分配していたことが明らかになっている。

 このような方法は、現在の戦闘駐留地イラクでも同様に行われていると聞く。


 ともかくも、このような施策の中で、政治体制もさながら、
日本人はソビエトに対する嫌悪感を抱く環境が整備され、
ソ連に較べればアメリカはマシだ!
からアメリカに対する強い憧れを示す文化を醸造する環境が整備され、
戦後の文化が形成されて来たのであろう。