何が本当なのか? 6

 アメリカはソビエトに較べればマシ!
 戦後の日本人の脳裏を占めた観念の根幹にあった感覚であろう!
 憎い国ではあるが、現実問題としてその場では抵抗できるものでも無し、
占領政策の中では、実際にはさして実害も無し、
なおかつギブミーチョコレートに応じてくれる占領軍!
 容易周到な占領政策の初期段階であった。


 その点、ソビエトのイメージは酷かった!
 戦争末期に満州に侵攻して、邦人に対して暴虐の限りを尽くし、
女性と見るや白昼でも片っ端から犯すとの行為を繰り返したと聞く。
また、誰彼無く身ぐるみを剥ぐ!
 さらに、シベリアに抑留して辛酸を舐めさせた!
捕虜でもない民間人64万人の悲劇である。
 多くの同朋が、ツンドラの地で命を失った。
 だから、「アメリカはソビエトに較べればマシ!」
とのイメージが完全に植えつけられ、醸造されていった。


 その中で、次第に豊かなアメリカに対する憧れが醸造され、
ジャズなど音楽に対する嗜好、さらにはロカビリー(決してリアルタイムで知っているわけではないが・・・)
そしてグループサウンズ、レースやVAN・JUN等々、
高度成長期を迎えて戦後の良き世界感というものを享受して行ってしまったのである。

 このことが、戦後世界の過ちを全て押し隠して世の中が進んでいった元凶であり、アメリカの用意周到な占領政策の帰結と言えよう。

 ただし、今、わが国がアメリカと手を切ることも出来ないというのが現状である。全く以て、占領政策は、みごとにわが国を根本的に骨抜きにしてしまったものだとつくづく感心するのである!