何が本当なのか 8  戦後の嘘Ⅰ

戦後占領政策の中で、日本の真実は歪められ続けてきた。
それに対して違和感を持った日本人は多かったことであろうが、
しかしそれを敢えて進んで受け入れてきた人間も多かった。

戦後は、未曾有の敗戦による空虚・虚脱感の中に置かれていた日本人に対して
数々の虚偽がほどこされていったのである。
戦後日本の嘘からの出発ということについて我々は
知らなければならないのである。
そして、その嘘がさらに嘘を生み、
嘘ということも気が付かないような状態となって来ている。

これらは、戦中にどこの国でも必ず行われる景気づけのために
行われる戦中プロパガンダとは、巧妙さからもまったく異質なったものである。

 その一つは、すでに述べた「終戦」という言葉であろう。
 敗戦を終戦と読み替えることによって、あの忌まわしい戦争の苦境から脱して、
より良い世界が開かれてくる、との思いを抱かせた。
 このことが、アメリカの占領政策を格段に実行しやすくさせたのである。

 次に挙げるは、やはり日本国憲法であろう。
 このことについては、現在ではご存知の方も多いであろうが、
当初、欽定憲法である明治の憲法に比して、
国民主権で制定されたとの嘘がまかり通っていた。
 勿論、アメリカがすべて創り出し、日本側はひたすら翻訳に徹したことは
ご存知のとおりである。
 しかし、当時は占領軍の言論統制は苛烈であり、
すべて検閲され批判的なことなどは当時まず表に出ることは無かった
といってよいであろう。

 さらにその中から生み出された嘘は何と言っても第九条に帰結すると言って
間違いないであろう。
 警察予備隊からはじまり、保安隊に改組され、
自衛隊と組織されたわが国の軍隊。
 これなどは明らかに九条から生み出された嘘であることは明らかであろう。
 さらには以前にも述べたが、九条がわが国の平和を護ったとの嘘。
戦後の日本を取り巻く世界情勢の偶然のバランスの上に成り立った平和であることは
明白であろう。
 日米安保が、良くも悪くもわが国の平和を護ったのは
誰の眼にも明らかな事実である。