母の死

 昨早朝、急に母が身罷った。 
 少し異例ではあるが、欠けられぬ私の明日の日程のため、
昨日告別式までの一連の行事を行い、本日朝から火葬場へ・・・
 
 神式で行われた...  静かな葬儀であった...

 母は、5年半ほど前にくも膜下出血で倒れ、
残念乍ら本来の自分自身を取り戻すことは無かった。

 本人は、生前、尊厳死協会からパンフレットを取り寄せるなどしていたが、
こんなにも早く自分にそのような出来事がふりかかるとは思ってもみなかったのか、
その後正式な自分の意思表示はしていなかったが、
母の本心は十分理解しているつもりである。

 しかしながら、安楽死という選択肢は我々には与えられておらず、
家族(その当初は子供たちも小さかった)も含めて、
皆、それぞれにいろいろな意味で大きな負担をかけ続けてきた。

 そして、次第次第に正気を失っていった。
 しかし、正気であれば、もっとも苦しい思いをしていたのは、
本人であったに違いはあるまい。

 あまりに突然な死であったが、
その意味からは、魂を解き放たれて
もっとも喜んでいるのは当人であることに間違いはないであろう。